『いつになっても、人は変われる』


カリスマ創業社長により牽引されてきたある企業から、
次世代幹部育成プログラムの依頼を受けました。

その初日の集合研修で、社長からの挨拶がありました。
しかし、彼の口から出た言葉は、参加者の誰もが驚く内容だったのです。

「えー、はじめに言っておくが、そもそも、俺は君たちには、期待していないから!
 もう、その年齢の君たちがこんな研修なんか受けても、変わらんだろう?」

これで一気に、彼らのやる気はつぶされてしまいました……。
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え?それから、どうなっちゃったかって…。笑

そうなんです。
その社長の挨拶は、事前には5分と言われていたところ、20分にもわたり、
上記のお話のようなダメだしを延々と続けていたのです。

集まった受講生もどんどんとテンションがさがり、顔もうつむき、
社長の言葉を手元のメモ帳に書いている風ですが、実のところ、上の空。
早く終わらないかな…という雰囲気でもありました。

私は私で、講師人生の中で初めてです。
こうも難易度がどんどん高まる冒頭の挨拶は…。笑

(どうする?どうする??…講師としてこの事態をどう収拾するんだ…?)

僕は、後方で社長の話を聞きながら、頭をぐるんぐるんさせていました。

「え…それでは、講師の方をご紹介します。」

と事務局さんからふられるその瞬間まで、
いろいろとシミュレーションをし続けました。

…でも、こんなのは初めてです。

まずは、いったん私から軽く自己紹介し、
すぐに場の雰囲気を変える必要があったので、
参加者同士で挨拶をさせる時間を3分ほどとりました。
(※それがあれば、きっと社長も帰るだろう…と。
 そして実際に予想した通りに、社長も部屋から出ていきました。)

お互いに挨拶をしたり、話したりする3分間で、
緊張しきった場がだんだんと和らぎます。
社長も会場から出ていったことも、すべての受講生も察知していますし。

そして、ようやく3分後…。
いよいよ席についた受講者の皆さんの顔をみて、
僕の口から出てきた最初の言葉は、こんなものでした。

「たいへんですね…」

その言葉で、場がどっと笑いに包まれました。

「正直…こんなに出にくい冒頭の挨拶は生まれて初めてです。笑

でね…社長のお話をうしろでお聞きしていて、僕、決めたことがあるんです。
なにかというと、このプログラムを皆さん、うけていただいて、
数か月後に、社長からこんな言葉をいただくこと。

それはね。
<なんだよ、変わらねぇとおもったけど、なんか変わったな…>ってね。

そんなお言葉をもらうぐらい皆さんが変化できるよう、全力でサポートいくことを決めました。
だって、そうですよね。悔しくないですか?
そもそも、口では君たちに期待していない…といいながら、お金を出しませんよね?
この研修が実施されること自体、期待している、ということなんですもんね。
ぜひ、見返してやりましょうよ!ぜひ!!」

社長には申し訳けありませんが、その場にいないことをいいことに、
社長を「共通の敵」とさせていただき、その場の一体感を創ることに成功しました。

その後の結果としては…

会場の一番前に座り、
社長からも「その年齢で変わることもできないだろう?〇〇君」と
名指しでダメだしをされた年長者である支店長は、
その後、社内でも驚きの声があがるほどの変化ぶり、でした。

この経験から僕はいまも確信しています。

いつになっても、人は変われる!
変われない人など、この世にいない!!
その可能性は創るもので、潰すものではない。

みなさん、この話をきいて、どう思いますか?
今日もきっと・・・I・W・D!